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石橋法務行政書士事務所
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オンラインでの法律相談

最近Just Answerというアメリカで始まった、オンラインでの法律相談の専門家としてアメリカ法、著作権などの相談に乗っている。このサイトに登録したきっかけは、2021年の夏にこのサイトのオペレーションチームの人から声をかけてもらったこと。アメリカ法の相談にのれる日本人がほとんどいないので協力して欲しいとサイトのお問い合わせページに連絡が来たのである。何日か経ってからこのサイトを検索してみると、詐欺サイト、無料と書いてあったのにお金を取られた、解約できないなどの書き込みが散見され、怪しいサイトなのかなと思った。でもちょっと調べてみたところ、無料とは書いてないし、よくあるサブスクのサービスで、解約するのに手続きを踏まないといけないだけであることがわかったので、「アメリカ法の相談には今のれないけど、CA州の弁護士資格が取れたらやります」ということで、当座は行政書士として相談に乗れる範囲だけにとどめ、今年実際に弁護士登録できてから、アメリカ法の分野を追加。この相談の報酬は無料ではないのだが、一件1,000円から2,000円くらいなので、プロボノに近いため、忙しい時は相談は中断せざるを得なかったのだが、アメリカ法については自分の知識のアップデイトにもなるので、2月から再開。相談に乗っている過程で、いくつか気がついたことを書いてみようと思う。

1. 行政書士は予防法務、弁護士はトラブル解決

行政書士は紛争の解決に手を貸すことは弁護士法上禁止されているため、今まではトラブルが起きる前の最善策へのアドバイスとか、後々のトラブルを避けるための契約書作成などの業務を行ってきた。だが、オンラインの相談の中には、相談の内容自体は公開されることが前提ではあるものの、自分の名前を出さないで相談可能なので「犯罪を犯してしまったからどうしたらいいか」といった質問も時々くる。で、こういうときに人助けしなくちゃと正義感を持って相談に乗ってあげようとするといつも見事に裏切られる。このサイトは、星評価5のうち3以上をつけてくれないと報酬が支払われないので、相手が役に立つと感じられるような回答をしないと単なる時間の無駄で終わるのだが、この類の相談をしてくる人は、犯罪に加担とまでいかないが、自分が思った方向のアドバイス=その行為について正当化するような言質を取りたいと思っている傾向があり、してくれない場合は低評価をすることがほとんど。サイトでは弁護士とクライアントの関係になることも他の弁護士を紹介することも禁止されている中で、こちらとしては最善策を提示しているつもりなのだが、聞く耳もたず。やっていてわかったのだが、この手の相談には日本の弁護士その他の専門家が回答せず放置されていることが多いのは、回答しただけ損になる=星評価が低ければ報酬がもらえず、低い評価が自分への評価平均を下げる結果になる、からだ。専門家として指名された場合は回答しなければならないが、指名されていない質問は、専門家が好きにピックアップすることができる。よって、多分回答しても低評価をつけそうな相談者の相談については、私も冷たく放置することに決めた。こういうところへ自分が犯した罪について相談してくる人たちの傾向を見ていると、刑事事件の相談に乗っている弁護士さんは本当に大変であることを実感する。知り合いの弁護士が、刑事をやらないのは、被疑者に感情的に振り回される(虚偽の主張をする事も多い)からだと言っていたのがよくわかる。

2. ネットで聞けることのメリットとデメリット

無料の法律相談には、新宿支部にいたときに相談員として定期的に区役所で相談員をやっていたので、どういうふうに相談に乗らなくてはいけないかは分かっているつもりでいた。でも、オンラインの相談というのは、わざわざ準備してその日に我々に会いに来てくれるような人たちではなく、手元にあるMobile PhoneやPCですぐに質問できる手軽さをメリットとしている人たちである。だから、これ自分で調べればすぐにわかることなのに、なんで専門家の手を煩わせるんだろうと思う質問も多い。また、face to faceで話をしていると、説明が主観的すぎるし、自分の不利になるような話をしない人からも、うまく話を引き出すこともできるのだが、オンラインだとこちらが時間をかけて質問を引き出さなすことが必要だったっり、一問一答式という決まりがあるのに、ずっと色々な質問をし続ける人もいるので、こちらが想定するより時間がかかってしまうことが多い。それと、オンラインだとやはり顔が見えないので、面と向かっては言えないような失礼な言葉を返してくる人もたまにいる。その辺りは割り切りが大切なんだと思ってやっているけど、割に合わないなあと思うこともしばしば。著作権関連やビザの事前相談の場合は純粋なご相談=焦ってない人たち、が多いので、こちらもあまり用心する必要がなく、答えられるなと思ったら、なるべく回答するようにしている。

3. クレーマー、冷やかし、要点が掴めない人たち

Just Answerの創始者は、病院が時間外の時に娘の具合が悪くなり、こう言う時にネットで気軽に相談ができたらいいのにと思ってこのサービスを始めたらしい。確かに、緊急事態にそれをネットで解決できるサービスって便利だと思う。ただ、このサービス、料金が安すぎるのと専門家の数が少ないので、ある程度のスキルがある人は、ずっと相談に乗っていたら仕事にならず、よって必要な時にすぐに回答できないところが弱点。また、規約に書いてあるのに解約に必要な手続き=サポートに相談、を取らず、専門家の相談ページで騒いでいる相談者、相談に乗って欲しいのではなく冷やかしで質問してくる人、質問の要領が掴めず、どう回答したらいいかわからないもの、などいろんなタイプの人・質問を見受ける。サポートセンターに勤務している人たちがメンタルやられるのは、こう言う人たちに日々対応しなければならないからなんだろう、いや本当に大変な仕事だと改めて実感する。親の転勤に付き合わされて転校するたびにいじめに遭ったり、転職もしてきた中でパワハラにあったりもしてるので、私自身はメンタルは比較的頑丈だし、一日中やってるわけでないからいいんだけど、だからと言って土日に自分の知識アップデイトのためと思ってやっていることが精神的にいいのかどうかは甚だ疑問。それは、平日の仕事でストレスが溜まりつつある時には尚更。さて、いつまで続くことやらである。

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