先月ロンドンとパリに行ってきた。私が支店の日本代表をやっている人材紹介会社(今月で代表からは退く予定)のイギリス人CEOフィル・フォークスと今年1月に話をしていて、偶然お互いに熱烈なラグビーファンであることがわかり、その時に「ワールドカップラグビーの開幕直前の8月に親善試合みたいなものがあるけど、ロンドンまで観に来ないか?」と言われたのがきっかけ。今まで一年に一回はBar Exam受験で渡米、それに2日くらいくっつけて遊んで帰ってくるというのが常であったが、今年はその必要がなくなってしまったので久しぶりにヨーロッパに行きたいなと思って、深く考えもせずにOKして、試合に合わせて速攻でフライトを予約。
旅行で撮った写真はインスタ映えするもの中心にインスタグラムで紹介しているけれど、こちらでは旅程や現地で役に立ったアプリや情報を備忘録の意味も含めて載せておきたいと思う。
私が羽田からロンドン便を予約した日は8月11日。ラグビーの試合が8月12日だったので、その前日にロンドンに到着しようと考えた。だが、羽田の往復はいつもタクシー(MK)を予約していくのが常だが、ネットでなぜか予約ができず、他の会社も同じ。その時に、8/11が連休でお盆の初日として結構な人たちがこの日に移動したり、旅行に行くからであることに初めて気がつく。海外と取引していると盆とか正月がほとんど関係なく、お盆だから休むという発想もゼロ。知り合いを通してタクシーの運転手さんに迎えにきてもらえないか聞いてみたのだが、会社に所属しているので個人で予約は受けられらないとのこと、でもGoとかS.Rideと呼ばれるアプリで5日前に予約すれば大丈夫でしょうという話を聞く。確かにAI予約というシステムで予約自体は受け付けてもらえるのだが、ネットで検索してみたところ、ただAIが予約自体を受けつけているだけで、その時間に確実にタクシーが来るとは限らないらしい、やれやれ。出発時間がウクライナの戦争のためか2時間も早くなり、空港に朝6時半に到着しなくてはいけないのに、タクシーが来なくて重たいスーツケースを抱えて路頭に迷いたくないので、2日前にスーツケースを宅急便で空港まで送り、当日は身の回りの物だけ持って、京急で空港まで行くことにした。早めに荷物を用意するのだけが苦痛だったけど、電車だったら1時間ちょっとで到着するから道路の混雑を考えて早めに出る必要がなく、早起きが嫌いな私には当たりの方法だったと思う。でも、朝の5時なのに、電車はラッシュ並みの混雑で、みんなスーツケースを抱えているので、立てるスペースも少なく到着までにはヘロヘロ。日本民族大移動の日に旅行するのは2度とやめようと思った。
私はコロナに罹患したことがなく又これからも絶対に罹患したくないため、通常JN95のマスクをし、事務所に来客の場合にも窓を開け、空気清浄機も全開にしている。飛行機の中での罹患を避けるため、携帯用の空気清浄機を買って、フライト中ずっと首から下げていた。少しの充電で14時間持つのでかなり便利。どこまで効くのかはわからないけど、旅行から戻ってきた後も電車の中や会食の時にはオンにしている。行きのフライトは満席だったけど、周りに咳をしている人はいなかったし、隣の人は見るからにビジネス関係者で静かな人だったので、10年ぶりくらいにエコノミーに乗ったのだけど、思ったより快適だった。
当初、空港に着いた後はエクスプレスの電車でパディントンという駅まで行くことも考えたが、ホテルを予約したBookinng.comでタクシー予約ができたのでそれを利用した。ロンドンではブラックキャブ以外のタクシーはあんまりおすすめではないような情報もあり、気にはなっていたのだけど、その情報はやはり正しかった。Booking.comが提携してるこの会社は、Textingで待ち合わせ場所を途中で変えたり、自分でInformation Centerに行けと言い出したり、やっとドライバーに会えたと思ったらスーツケースだけを持って、私の携帯している荷物には目もくれることなくタクシーを停めている場所まで15分ほど歩かされたり。PCや本が入っていてスーツケースと同じくらい重い荷物を長い距離運ぶ羽目になっていきなり体力消耗、こんなことなら電車のほうが良いと思わせる扱いを受けた。懲り懲り。
タクシー利用については、ネットでおすすめがあったAddison LeeとMinicabというアプリをDLしていたものの、ロンドンでの移動はTubeという地下鉄で十分足りるので、その後パリに行くまで一度もタクシーは利用しなかった。
ロンドン市内は前述のようにTubeという地下鉄での移動が非常に便利だった。東京メトロのパスモと似ているOysterカードを購入してそれにある程度の料金を入れておけば、何度でも利用できる。チャージ料金がいくらかはネットでも、駅の販売機でも調べることが可能。ロンドンでは、どの交通手段が良いかを調べるのにCitymapper、メトロの利用にはTube MapというアプリをスマートフォンにDLしておいたので、携帯のGPSをみて、最寄りの駅に行くのに便利だった。ただ、携帯の充電が夜までもたない可能性あるので、どこかでチャージできる店に入るか、チャージ器を持ち歩く必要はありそうだ。
*ワールドカップラグビーが先週末から始まったが、試合を見ていると、EnglandもWalesも気合いの入り方や戦略がその時とは比較にならず、やはりあの試合はWarm-Upでしかなかったんだなと今更ながら感じ入っている。
ロンドンからパリへの移動は、Eurostarというエクスプレスの電車を使うことにした。この電車だとパリまで2時間半、でもクラスだけでなく時間によっても料金が違い、昼間の時間帯が高い。だから午前中はロンドンで過ごし、夕方パリに着く便にした。イギリスサイドはKings Cross駅から発着するのだが、この駅はハマースミス&シティ線で(くまで有名な)パディントンの駅から3駅で、パディントン駅はホテルから歩いて10分ほどの距離。空港からホテルまで使った車の運転手は、Kings Crossまでは「充分に歩きと電車で行ける距離」と言ってたのを信じてパディントンまでスーツケースをガラガラ引いて言った。ところが、ハマースミス線の駅はどでかいナショナルレールの駅の向こう側で、とてもじゃないけど同じ駅とは言えない場所にあることが判明。結局ホテルから合計30分くらい歩く羽目になり、荷物が重すぎてまた手がちぎれそうになった。結局あのいい加減なサービスとか運転手はどこまでもいい加減でしかなく、そういう人間に意見を求めそれを信じたことが元凶、自業自得である。(今回の件で重すぎるスーツケースに懲りたので23年使い続けていたRIMOWAのスーツケースをフランスDELSEYの軽量スーツケースClavelに変えることにした。2キロ以上軽い)。
その上、Kings Cross駅についてからやっとの思いでEurosterの発着場所についたら何故か大混乱。他の人が職員に質問しているのを又聞きしたところ、車両の変更があって全員の席を入れ替えて販売し直していたのだった。乗った車両は狭くてボロくてこの車両で1万以上の価値はないだろうというもの。しかも隣に座ってきたフランス女性が図々しくて「自分の荷物を立ち上がって取りに行くのが面倒だから、携帯のチャージをシェアしてくれ」と言い出すし(コンセント口は二つあるのでシェアする義理などない)、自分に甘くて人には厳しいフランス人の洗礼をいきなり受けた気分だった。到着したパリの北駅ではゲリラ雨が降り出していたが、運よくタクシー乗り場に辿り着き、サンジェルマンにあるホテルに無事到着。
ロンドンに行くのは4回目だったので、大体の有名建造物は見ているし、場所もうっすらとは覚えているのだが、パリは大学の卒業旅行以来40年近く行ってなかったので、ほぼ初めてに近い。だからフィガロのパリ特集を買ったり、パリに何度も行ったことがある友人におすすめの場所を聞いたりして、事前に少しづつ予習をして本番(?)に臨んだ。パリでもロンドン同様に地下鉄が街中に通っているので、一応G7 Taxi というアプリをDLしておいたものの、空港の行き帰り以外にタクシーを利用する必要が全然なかった。メトロ利用時に使っていたのはParis Metroというアプリ。ただ、アプリだけだと全体像がよく見えないので、紙のマップも携帯していた。アプリ・実マップの併用が良かったのか、いつも迷うことなく目的地に着くことができた。
パリに着いた翌日は、大好きなマティスを見にポンピドウー芸術文化センターに行くつもりにしていたのだが、調べてみたところ火曜日は休館。じゃあ代わりに他の美術館に行くか・・と調べてみたところ、大体のメジャーな美術館は火曜日が休館日であることがわかった。美術館目的でパリに行く場合は注意が必要である。私は水曜日の夕方、友人のクリニックに行く用事があり、木曜の夕方に帰国だったので、できれば火曜日をフルに美術館日にしたかったのだが、急遽予定を入れ替える必要があった。火曜日にはパリ市立近代美術館、プティパレ、カルナヴァレ美術館、水曜日にポンピドウー、ヨーロッパ写真美術館、木曜日にノートルダム大聖堂(修復中なので外だけ見学)、サント・シャペル(ステンドグラスが美しかった)、マイヨール美術館(大好きな写真家エリオット・アーウィットの特別展だったので)、サン・シュルピス教会にいった。火曜日に行った3つの美術館は入場料が全て無料だったのだが、いきなりマティスの壁画があったり、カルナヴァレはパリの歴史を年代ごとに展示していて、展示物もバライエティにとんでいてすごく面白く、もう一度見に行きたいと思わせる興味深いものが多かった。
6. フランス料理と鍼治療
木曜日の夕方、Nationというマレ地区のバスティーユ駅からそんなに遠くないところにある駅のすぐ近くでクリニックをやっているMidoriさんのところへ。
Midoriさんは私がNYにいた時に、自分が借りていた部屋の一室をサブリースしてくれた人で、それから20年ほど友人関係にある人。元々マーケティングを勉強するためにNYに行って、コスメ卸売業の会社から始まって、MBAはNYのFashion InstituteでMBAを取得した後は、日本に一時的に滞在してトイレタリー製品やランコムのマーケの仕事もやっていた。その後一念発起して、鍼の勉強をするために大学・大学院に入り直し、Acupunctureのクリニックをやっている、本当に逞しくて生き方の参考になる人。彼女のところで足、首、頭、顔などに普通の鍼、および美容鍼を刺してもらいつつ、顔のほうれい線をどう消すかとか、何を食べたらいいのかなど色々ご指南を受けた。今は漢方にも興味を持っていて、そのDoctorの資格も取る予定らしい。彼女の鍼施術を受けたら、眉間の皺とか、リフトアップも実現できて満足。でも、維持するにはまたどこかで鍼治療が必要なんだろうな、全く年をとるとお金がかかる。
施術を受けた後は、Midoriさんが予約してくれたビストロnarroへ。シェフが日本人だったので、プレートがアート作品みたいで、量もちょうど良く、美味だった。今回は時間がなくて、他はHuquetteという魚介の店(しかも1人なのでFish & Tipsしか注文できず・・が、美味しかった)と、Le Flores というブラッセリーに予約なしで入った(チーズ盛り合わせとワインでいい気持ちに)くらい。普段は1人でレストランやバーに入るのが不得意なのだが(何をやっていいかわからないし、声をかけられるのが面倒)フランスは他人のことを全く気にしない人たちみたいなので、誰にも声をかけられることもなくすこぶる快適であった。
最終日の午後、ホテルで予約してくれた車に乗って空港に向かった。ドライバーはアジア人で元々ITのエンジニアをやっていてけど会社から解雇された後は、気が向いた時にドライバーをやっているとのこと。親戚はアメリカにいるらしいが、アメリカには興味がなくフランスが快適だし60歳を過ぎてるからもう半分リタイヤだと言っていた。フランスは年金支給が60歳から62歳になるというだけで大規模なデモが起きるような国だ。私の周りの外国人たちも、60歳を起点に後半の生き方や住む場所を決めている方達が多い。70歳になっても働かないと食べていけない国日本に住んでいると、60歳でリタイヤを考えられるのはごく一部の富裕層ではないかと思うのだが、富裕層でない私もいつかは仕事からリタイヤせざるを得ないわけで、今後の目標に向かって少しづつ仕事の種類も変えていきたいなあと改めて思う。
帰りのチケットはJALのプレミアムチケットだったので、エアフランスのラウンジを使わせてもらい、そこで又(すでにLe Floresでワインとチーズでいい気分になっていた)シャンパンとトーストを勧められて飲んだくれ、ラウンジではフランスのNetflixでしか見られない韓ドラの太陽の末裔をiPadにダウンロードして、フライト中ずっと見続けた。そうしたら、フライトアテンダントさんに「ご覧になっているのは、太陽の末裔ですよね、大好きなドラマなんです」って話しかけられてしまった。最終エピソードまで見終わらなかったが、日本ではU-Nextでしか見られない、どうしよう・・
羽田空港ではあらかじめ予約したMKタクシーに乗り込む。羽田・成田の空港便のタクシーはどのタクシー会社に頼んでも一律料金だが、MKのサービスや車はハイヤー並みで、ドライバーさんはこの暑いのにスーツ着て白い手袋までしている。そのドライバーに「行きは予約ができなかったのは何故だろう?」と聞いたら、コロナでタクシーの数が減り、今は絶対数そのものが少ないからだという。悲しい話だ。
今回のロンドン、パリ行きのためにポンドやユーロを両替して持っていたのだが、カード支払いが大半だったから、ポンドは半分以上使わないまま戻ってきた。ファーストフード店ですら、自動販売機はカード支払いだし、タクシーでもお釣りはないと言われ、チップなしの金額丁度を渡したらそれでいいからと言って受け取ってくれたくらい(ちなみにパリのレシートはサービス料が含まれている場合が多いので、レシート以上に払う必要はない)。日本もPaypayを使っている人は多いけど、機密保持の観点からできれば日本のサービスを使いたいものの、Paypay以上のサービスが存在しない。キャッシュレスについては日本はまだまだだと思う。
今はすっかり日常に戻って今はあくせく働いているが、やっぱりたまには仕事から頭も手も離すべき、じゃないとベストな状態で仕事できない、とワーカーホリックの自分に言い聞かせてる毎日である。