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物事はそれ程思うようにはいかない- LAでの会社設立など

少なくとも2ヶ月に一回はブログを書くことを自分のノルマにしているのだが、すでに3ヶ月が経とうとしている。なぜ先月書かなかったかというと、一応理由があって、1. 書くと問い合わせがいっぺんにきてしまう、2. アメリカでの自分の法律事務所設立が遅れた、そして、3. 今後の方向性についての打ち出しを思案中、だったからである。

ブログを書いているのはSEO対策と、同じことを何度も説明する自分の手間を減らすために、ここ読んでおいてくださいというための新規クライアントへの情報提供が目的である。よって、目標通りにSEOが上がって、検索で上位に上がること自体はありがたいことなのだが、問い合わせが一気に増えると個人で細々とやっている身の上では仕事が回せなくなる。前回7月という割と暇な時期に何となくブログを書いた瞬間から毎日のように問い合わせがきて、しかもほとんどが急ぎと言われてしまい、いくつかは断らざるを得なかった。そして、超特急急ぎの新規依頼に応じて、体調がかなり悪い日曜日に急ぎで契約書を作った案件は、その当時者が契約書を締結するはずだった相手に騙され=投資詐欺、金銭回収できなかったから金が払えないと言われ、3ヶ月経っても回収できないという事態に発展。だが、他のレギュラークライアントの案件を断り、あんなに無理してやった案件なので、回収を断念する気は毛頭ないけどね。

話がずれたが、そんなわけで、ブログを再び書けば、また同じような状態になって、てんやわんや状態になるのを避けたい=先月からすでに忙しく、再びコントロール不可の状態にならないようにしようとすると、どうも書くことに二の足を踏んでいた。そうは言っても仕事の問い合わせが全然ないのは逆に困るし、ホームページの更新はしないと、と考えて書き始めた。

昨年末から業務の合間に準備していたアメリカでの法律事務所設立、Temple Law Schoolで知り合ったあと二人にPartner Agreementを資本金など仮の状態で同意してもらって、Los AngelesのDowntownに設立することにした。9月に登記を終わらせて、正式発表(というほどのものでもないけれど)をこのホームページでもするつもりであった。ところが、いつまで待ってもCalifornia Secretary of State(会社登記のための書類の送り先、日本の法務局みたいな役割)から連絡がなく、おとといその理由が発覚。アメリカの会社設立については別で書くつもりだけど、LLP(Limited Liability Parntership)はちょっと他とも違うのでここで書いておきたい。

カリフォルニアのSecretary of StateにはBiz Onlineというシステムがあり、このシステムではLLC, LP, S Corporation, Non Profitなどの会社の種類を選んで、そのプロセスに従って打ち込んで、クレジットカードで支払い、Submitすれば登録申請できる。役員メンバーのサインが必要だが、全員のメールアドレスを書くと、その人たちに確認の連絡が行き、多分Doc Signみたいなシステムでサインをすれば終わり。ところが、LLPは別のシステムになっていて、なぜか私はそのシステムにアクセスができない。問い合わせても「このリンクをクリックすれば入れる」みたいな頓珍漢な答えしか戻ってこない。MacとWindows OS両方のPCで言語、Localeなどを変えても同じ。Hawaii在住のパートナーの一人はアクセスできるといっており、私自身もLAに行った時に初めてアクセスできたので、IP addressが日本にあるとアクセスできなかったのだと知る。CaliforniaでLLPを作れるのは、Certified Accountantや、CA Licenseの弁護士などCAでライセンスを持っている人だけなので、海外からシステムにアクセスして登記をしようという人間を想定していないらしい。オンライン以外だと郵便で書類を送るほかないので、オリジナルのサインを3人から送ってもらって、郵送することに決めた。

郵送するにあたって、申請料の$100のCheckか、Money Orderを同封する必要がある。私はアメリカの口座は留学以来ずっとCiti Bankで維持はしているものの、アメリカに住所がないので、Checkが作れない。また、昔は日本の郵便局でMoney Order(郵便為替の国際バージョン)を作ってアメリカに送ることができたのだが、今は廃止されている(理由はわからないけど)。よって、Money Orderを作るためにはアメリカに行き郵便局やドラッグストアに行かざるを得ない。だから郵送自体は日本から送ることは可能だが、Money Orderを同封するためには、それをアメリカで作成しアメリカから送るしか方法はなかった。

やっとの思いでMoney Orderを同封して郵便局から書類を送り、追跡サービスで翌日にサクラメントのオフィスに到着をしたことを確認。郵送だと登記まで1ヶ月くらいはかかるという情報がオフィスのページにあったので、素直に待っていたのだが、1ヶ月経っても何の連絡もない。しょうがないので登記書類を取り寄せるサービスを利用してみようと思い、Stateのシステムに行くと、BE Order (Business Entity Certificate Order)というページがあるのだが、そのページも真っ白でアクセス不可。登記書類では、フォームの1ページ目にメールアドレスを書かされるので、メールで連絡が来るものだと思い込んでいたのだが、まさか郵送で、登録したバーチャルオフィスに連絡でもしているのか?と思い、バーチャオフィスに連絡したところ、来てるよ、と言われた。有料のサービスをお願いして、封筒の中の書類をPDFにしてメールで送ってもらったところ、9/16の日付で「Form 4bの欄の住所は記入の必要はない。登記の要件を満たしてないから返却するからMoney Orderがチャージされないように、10/16までに回答せよ。」というレターが来ていた。記述をDeleteすればいいだけの話なのに、メールではなく、書類で返送・・つまり、郵送を選ぶと、どこまでも郵送で返答が来るんだろう。いやもう唖然とするしかなく、すっかりやる気が吸い取られた。これからサインしてハワイのパートナーにOnlineでのプロセス頼んだとして、登記終了は11月の中頃だろうか。

因みに、現地のエージェントに依頼すればLLCやCorporationなら代理申請をしてくれるが、LLPはそのサービスは含まれていない。要は、今回はアメリカ人の仲間にフォローしてもらっているのだが、日本人で日本在住の人一人ではカリフォルニアでLLPを日本で登記するのは不可能ということになる。

プライベートな話ではあるけど、自分の業務について考え出したきっかけは高校時代の同期で、会社の副社長をしている友人が私の将来を心配してくれたらしく「僕の知り合いの社外取締役のご紹介など企業向けのコンサルティングをしている会社の代表に会いに行きなさい」と言ってくれたこと。何だかよくわからないまま夏のある日、レジメを持ってその方のところに行った。その方が私のレジメと簡単なやり取りをした後、「あなたが能力が高くて何でもできる器用な人だということはわかったけれど、レジメがわかりにくい。やりたいことをはっきりさせないと、単に便利屋で終わってしまう」という実に鋭い指摘をしてくれたのである。

自分でもうすうす自覚していたのだが、私はそもそもエンタメロイヤーになりたくて諸々の法曹資格を取得し、エンタメ・IT企業にずっといたので、自分の得意エリアとしてエンタメの権利関係やITのライセンスディールが得意、という打ち出しをしていた。だが、最初の項目ともダブるけど、行政書士として専業で独立したのちに作り直したホームページではSEO対策を仕込施しつつエンタメ・ITよりは広範囲の業務について記述していた。そんなある日突然「外国の会社の日本での支社、支店設立のお問い合わせ」が来て、それからその業務ばかり、一時は毎日2件ほどその類のお問い合わせが来るようになり、月に5つ定款認証に公証役場に通っていたこともある。色々なタイプの設立案件をやっているうちに、すっかり外国人の日本法人設立のエクスパートになってしまった。

又、専門家と中小企業を結ぶポータルサイトで、英文契約書の作成依頼はほぼ全部私のところに来るようになってしまったりで(ありがたいことに他にやれる専門家がいなかった)、いつの間にかエンタメ・ライセンスディールから遠く離れ、会社設立・在留申請・建設業を含む許認可・補助金申請・相続まで業務が広がり、弁護士資格を得たのちには不当解雇他の労働問題など幅広い仕事を請け負えるようになった。もちろん、エンタメ・IT関連にもかなり携わっているし、業務範囲が広いこと自体が悪いとは思ってない。家のローンや事務所の賃貸料、CaliforniaにBar受験にかかる費用(予備校や教材代も含めると、大体年間で100万円くらい)、を捻出するためには、やれる仕事は全部やる、わからないところがあれば、そこだけ外の知り合いに頼む、というスタイルをずっととることは必然でもあった。

でもそろそろ良い歳なので、これからはもう少し的を絞っていこうかと思った。LAで法律事務所を作ろうと思ったのも、他のいくつかの理由とともに、日本とアメリカの両方回すということで取捨選択をせざるを得ず、逆説的に自らがやりたい仕事に的を絞っていけるのではないかと考えたからだ。現在のホームページを今後は少し違う構成にし、またLAの会社のホームページとどう連携するかを思案中である。

とはいうものの、前述の通り、LAの会社設立がちっとも進まないので、業務の選択とかホームページの改訂や連携ができない状態。そして、先週あたりからまた業務依頼が増えてきている。この状態でブログ更新して大丈夫なんだろうか?全く物事は思うように行かないものだなあと思いながら衆議院選挙の結果を見ながらつらつら書いているんだけど、久しぶりに私の投票が無駄にならない結果が出そうでちょっといい気持ちになっている。よし、明日も頑張ろう。

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