最近よく聞かれる質問、「配偶者がアメリカに留学するので、私も同行する予定。ついては、日本の仕事をアメリカでもリモートで続けたいのだが、可能か?by 日本人」とか、「今自国でしている仕事を日本でも続けたいのだが、就労資格なくても滞在していいか? by 外国人」というのがある。答えは両方とも❌。日本、米国双方で不法就労となり、強制送還の憂き目に遭うこともあり得る。バレないと思っている人多いのだが、入国管理官はちゃんと見ている。バレたらしばらく入国できなくなるのでご注意を。
まあ、コロナ禍以降、会社の業務をリモートで仕事をすることが普通になり、感覚的に、海外でも自国の仕事持って行って仕事してもいいよね?ってなってるんだと思うのだが、日本やアメリカではそういうリモートワークでの滞在は今の所許されていない。外国人がアメリカに滞在する場合には就労関連のビザ取得、又は労働許可、日本に滞在する場合には就労関係の在留許可が必要である。これは結局税金支払いの観点からも違法。海外の仕事を持ってきてリモートで従事、外国に滞在しているにもかかわらず、所得税や住民税は自国で支払い、滞在している国のリゾースやベネフィットを利用しながら、それにただ乗りしていることになるから。アメリカのように、不法入国し、ビザがないまま低賃金で働いている人も不法就労ではあるけれど、労働で国に役に立っているし、少ないかもしれないが企業を通して税金も支払われているので、むしろ、リモートワークの方が罪深いのかもしれない。
デジタルノマドビザとは、自国で仕事を持っている外国人が、その仕事をPCやインターネットを使ってリモートで行いながら、一時的に滞在することを認めるビザである。上記のようにアメリカも日本もこれを認めていないが、ヨーロッパを始めとして、50カ国以上がデジタルノマドビザを発行しているらしい。ヨーロッパでは、ドイツや(憧れの)スペインなども認めている。この発行を認める理由の一番はコロナであろう。観光で外貨を稼いでいた国は、コロナの影響を受けて観光客が激減し、今もその影響がゼロになったとは言えない。所得税は入ってこないけど、そういう人たちが中長期滞在してくれれば、ある程度の外貨は落としてくれる。要件で月収がある程度あることが必須な国が多いけど、デジタルノマドが可能な職種の人は、これ利用してみるといい経験になるんじゃないかと思う。
なお、日本でもデジタルノマドの在留資格について検討を始めたらしい、とネットで見たような気がする。海外の人で日本に住んでみたいと思っている人は結構多く、Relocate Worldでの問い合わせの大勢を占める。日本に中長期暮らすための在留資格申請は、現状、雇用主を探すか、日本でビジネスを始める=資本金500万円以上、という高いハードルがある。だから、フリーランスで、ある程度の資産や定期的な収入がある人が在留許可を得るのが難しい。せっかくデジタルノマドの検討を始めたのなら、投資家の在留資格も認めてくれないかな、と思っている。
私がAmbassadorをしているRelocate WorldのFounder David CantorがDigital Nomad Visa取得を手助けするアプリ、ポータルサイトのCitizen Remoteを運営している、Digital Nomad Visaの提供をしている国、要件がまとまっていて、ビザ取得をサポートしてくれる専門家とカスタマーをつなぐシステムである。Davidからパートナーにならないかと誘われているのだが、なんせ日本はまだDigital Nomad Visaの提供をしていないので、問い合わせに追われて、報酬は得られないのでないかという危惧があり、今思案中。でも、Digital Nomad Visaで一時的に海外に住んでみたい人は、是非会員になってみることをお勧めしたい。