新年明けすぐ1月2日から8日まで4泊6日でNew Yorkに行ってきた。目的の半分は「昨年は夏休みすら取れなかったので、国外逃亡したい」(目的でなく手段か)、後の半分は業務拡大のために連携できる弁護士に会って来ること。会う予定だったHenry Goldsteinは風邪のためにWeb Meetingになってしまったものの、新しい展開があったのでとっても有意義な旅であった。以下はその抜粋であるが、まだFBやInstagramにアップしていない写真を使い、リンクを入れて、ちょっとしたガイドブックがわりにもなるようにしてみた。
Gland Central Station
私はデルタ 航空の会員なのであるが、デルタ はNew Yorkへの直行便がない。でも、閉所恐怖症と腰痛持ちのため、狭い閉ざされた飛行機という空間にいるのが10時間を超えると気が狂いそうになるため、NYの往復に12時間から14時間は相当きつい。だから1回途中で乗り換えの方がむしろ好ましく、行きはシアトル、帰りはミネアポリスでの乗り継ぎとなった。直行便とは2,3時間の違いはあるし、便が遅れたら次に乗り遅れる・・という恐怖はあるものの、直行便よりましだと思った。
マンハッタンのホテル到着はすでに午後9時を回っていたため、行動は翌日から。午前中はSohoをうろうろして買い物をし、午後は、以前New Yorkに住んでいた時から疲れたら元気をもらいに行くために通っていたWhitney Musium=ホイットニー美術館に行った。ホイットニー美術館は、以前はUptownのメトロポリタン美術館の割と近くにあったのだが、今はChelseaとVillageの間あたりに引っ越している。近代美術を多く持っているところなので、ロケーションは今の方が向いている感じ。最上階でJames Moran展が5日までやっていて、この展示がらみで夕方からJazzが聞けるというので期待して行ったのだが、約2,800円もする入場チケットでは、6時以降空いていたら入れるだけでチケットは別売、とのことだったし、滞在二日目で疲れてもいたので、展示だけ見て帰ってきた。Exhibition自体は相変わらず元気だったけど、後述するMOMAに比較して、この入場料金に見合う価値なのかどうかは微妙だなと思った。
各階から外に出られて、今のNew Yorkやハドソン川を隔ててNew Jerseyまで見られて気持ちいい。マンハッタンでは以前は3th Avenue から8th Avenueの外側は危険だから近づかない方がいいと言われていたのだが、9AveよりNJより、ハドソン川すれすれまで新しい建物ができていたり、High Lineという道ができていたり、なんか安全すぎるマンハッタンって、どうも刺激的じゃないなあ、と思いながら帰ってきた。
High Line からハドソン川、Whitney MusiumからDowntown
翌日はメトロポリタンオペラ。土曜日昼間の回にした。演目はDer Rosenkavalier=バラの騎士。オペラはNew Yorkに住んで以来その面白さ、凄さに魅了されて何度も通うようになったのだが、経験上演目はトラビアータ、トスカなどいわゆる歌劇、歴史ある演目の方がセットも凄いし、ベテランが登場するので素晴らしい。でも、お正月であまり選択の余地なくこれにした。金持ちのご婦人が若い男性と不倫しているところから始まり、彼女に結婚報告を相談しにきた親戚の男性と政略結婚させられる予定だった若い女性が登場人物。若い女性とその若者が偶然恋に落ち、ご婦人は若者を女性に譲るつもりでその場を去っていくって、上流階級のあまり悲劇的展開がないお話。この若い男性を女性が演じていて、歌を三人がソプラノで歌う場面が多くって、どうも話に入り込めない、後ろの老婦人が始終咳払いをしてうるさすぎ、の状態に、時差ぼけがミックスされて、全3時間半上演の1時間くらいは寝ていたかもしれない。いまいちだったのは周りも同じだったらしく、終わっても「Bravo!」と立ち上がる人はほぼいなかった。そうだとしても、このメトロポリタン、立ち見も入れると4,000人収容できるのだが、12月から5月上旬までのほぼ毎日、チケットだって、立ち見でも3,000円強の値段がするのにほぼ満席。この人気ってやっぱりスケールが違うし、そのカルチャーを支える人たちのエネルギーや消費力が正にNew York, the United Statesだといつも思うのである。
Metropolitan Opera House
日曜日はKPMG監査法人に勤めていた時の友人ちかちゃんと一緒に、リニュアルされたばかりのMOMA(近代美術館)へ。ちかちゃんはMOMAの会員なので、連れの私は$25のところ、たった$5で入れ(でもオンラインでチケットを買ったがためにうまくキャンセルできなかったけど・・)、しかも前日で終わってしまったExhibitionでMember だけが見られるところに一緒に入れてもらえる、というおまけまでついていた。MOMAはリニュアルしてからますますパワーアップし、様々な趣向を凝らしたExhibition・絵画・彫刻があって、飽きることが全くない。しかも、ほぼ全ての作品がなぜか写真取り放題なので、2人でバチバチ撮りまくってずーっと喋りながら(主にちかちゃんの離婚決定の旦那話)帰ってきた。ランチは、VillageにあるL’expressというフレンチのお店、前を通りがかって「人がいっぱい入っているから美味しいに違いない」というよくわからん基準で入ってみたら、これが大正解で料理のグレードがかなり高かった。ちかちゃんの食べていたShakshukaっていう食べ物、かなり美味しそうだった。
ちなみに、ちかちゃんは、もともとダンスの勉強がしたくてNew Yorkに行ったのだが、足を怪我して断念、その後KPMG監査法人のRisk Management部門で秘書をやるようになり、Junior Associate →Senior Associateときて、今年1月に Managerに昇進したらしい。大学ではDanceしか勉強してなくて、会計の資格も持ってないのにもかかわらず、子育てもしながら、家計はほぼ1人でやりくりし、実力だけでマネージャーになったのである。本当に素晴らしい。今度会ったときはまた偉くなっているのか、会うのが楽しみである。
Umberto Boccioni, Jaques Villegle and Claude Monet
ホテルが42丁目の近所だったので、何回かロックフェラーセンターのあたりに行って買い物をした。日本にはないブランド、Club Monaco, Anthopology 、Victorian Secret (特にパジャマのデザインや機能が優れている)が大好きなので、そこで洋服やお土産を買ったり。ロックフェラーセンターは、まだイルミネーションがクリスマスみたいで、もう年は明けたんだけど、観光客はなんでもいいのかなーと思いながら、なるべく人混みを避けて歩いていた。今回のトランプのイラン司令官殺害の報復を恐れてのものなのか、いつもあんな状態なのかわからないが、NYPD (New Yorkの警察)がセンターの周りにかなりいて、ものものしかった。9/11の日にNew Yorkにいた私には、いまだにあの日の一連の状況が克明に目に浮かぶため、デジャブな状況を作りつつあるアメリカ大統領は本当に勘弁してもらいたい。
The next building of Trinity Church and around Plaza Hotel
今回の目的の一つは、エンターテインメント弁護士のHenry=通称ハンクに会って、今の状況と、可能ならこれから仕事一緒にできないかという話をすることであった。ハンクとの出会いは渡邊ケンさんがきっかけで、それが過去ブログに書いた(こちらを参照してほしい)が多分20年以上、電通のエンタメやライセンス部門の仕事をしていて(ハンクのプロフィールはこちら)ほとんど日本語は喋れないけど、日本人の仕事のペースややり方をよく理解している。今回会えるのを楽しみにしていたが、風邪が酷くてうつしたくないからビデオカンファレンスにしようとWhat’s Appで連絡してきたので、Zoomでミーティングをセッティング。わざわざWestchesterからきてくれなくてもいいと思っていたし、14時間差があるから日本でNew Yorkと繋ぐのも大変なので、これはこれで良かった、お土産のTokyo Sweets 、Maple Mania が渡せなくて残念だったが。彼は今も電通の仕事をしつつ、中国のEstateやマーチャンダイジングがらみの会社を三人で運営し、友人でもある画家のThomas Easley(URLはこちら)のマネージメントもしているという。確か70歳になったと思うのだが、相変わらずアクティブで、リタイヤの予定なんてあるわけないと言ってたので安心した。むしろ前に会ったときより業務範囲が広がっているし、5年前に再々婚して今や子供が7人、というそのエネルギーって、どこから来るんだろう。今後ジョイントしてやれるビジネスがあったら一緒にやっていこうと約束した。また、後でウェブリンクを教えてもらって見てみたら、このThomas Easleyがまた凄くて言わずもがなの天才ですっかり惚れ込んでしまったので、日本でのマーケティングを手伝わせてもらうことにした。
午後には、China Townで、中国人の奥さんと作った弁護士事務所で移民法の弁護士をしている脇田さん、夕方にはBank of ChinaのCompliance関連の仕事をしているAlbaとBryant Park Grillで会ってワインで乾杯。2人とも、私と同じCardozo Law SchoolのLLM卒業生のLawyerである。2人とも景気はいまいちだし、やっぱり外国人で弁護士をNew Yorkでやるのはしんどい、という話であった。脇田さんの話によると、日本人の弁護士だと、Discoveryの手伝いをすると時給$100で、残業もすれば一日$1,000は稼げるからやっている人が結構いるらしい、僕も子供もう少し大きくなったらやろうかな、という話をしてくれた。でもそんな作業を毎日10時間もやっていたら目と心が疲れそうだし、なんのために弁護士としてNew Yorkにいるのか悩まないんだろうか・・Albaの方は、銀行関係の就職は初めてだけど、これをきっかけにして、今後銀行関連のビジネスに絡みたいと意欲的だった。
会った弁護士全員がなんらかの形で中国に絡んでいるというのはちょっとした驚きだった。アメリカにとっても中国は外せない存在なんだと改めて思う。私も今仕事でお客さんの中国がらみの仕事を手伝わせてもらっているが、先日突然事務所に訪問してくれたカナダ人弁護士で中国でエンタメ関連の業務を行っているPaulや、今回会ったハンクとも連携してエンタメや中国ビジネスをもっと追求していきたい、と再確認した旅であった。