遅まきながら、私の中では最近ツイッターがきている。以前作ったアカウントを今年になってアクティブにしたのは、仕事の関係者がメールアドレス以外の私の連絡先を探すために、なぜかツイッターの私のアカウントを見つけて連絡をくれフォローしてくれたのがきっかけ。で、なんとなくいろんな人のツイートをながめるのが日課になった。ツイッターって著名人、知識人、有名人の人がまめにツイートしていて、その距離の近さもすごいなーと思っていたのだが、そのうちコロナウィルスが日本でも猛威をふるい出してきて、色々な方の投稿内容って、マスメディアには全く出てこない情報であることに気がついた。というか、私自身がほとんど地上波の放送を見ないし、新聞も読まないので、日本のマスメディアがどういう放送をしているか知らなかったのだが、ツイッターの中でテレビや新聞ではこんな風に報道されているけど、本当はこうだよね、というような話や、ツイッターに関するリアルな情報 – ネットサポーターがランサーズその他の会社に激安料金で雇われて反政権的なツイートやリプに物凄い勢いで攻撃してくることなども知った(アカウントの作りもツイートの内容も同じなのでバレバレ)。私より若い人や著名人たちが、そういうものにめげずに戦ってツイートし続けていることや、ハッシュタグ使ってツイッターデモの声がけやってトレンド入りさせる(で、それをツイッタージャパンは気がつくとトレンドのランクから消去する)のも見てすごいなーと素直に感動した。私が呟くより、そのツイートに「いいね」したり、デモ参加した方が役に立ちそうだ、と思って、今のところは目に見える活動はしてないんだけど、日本のコロナウィルスに関する正しい情報を知りたいなら、ツイッターで正しい情報をあげている人を確認してその方をフォローすることがおすすめ。たまに可愛い動物の情報や、笑える話もいっぱいある(デーブ・スペクターさんはいつも駄洒落をツイートしてくれる)ので、飽きることもない・・・のは私がネクラなIT オタクで一日PC、タブレット、スマホをみていることに苦痛どころか幸せを感じることもかなり関係しているが。それにしても、これだけの情報をSNSから得られるって、ネットユーザーじゃない人たちに比べて恐ろしい差だと思う。
で、コロナウィルスの影響で人と会うこともなく部屋やオフィスに閉じこもって仕事をしていると、仕事の合間やその前後に、「これからの社会は一体どうなるんだろう」と思うことが多くて、哲学者や文学者の話が、経済学者や政治家の話とともに、すごくしみる。昨日はちょうどいい文章とお話に会った。フォローしている一人でもあるフランス文学者(武道家、翻訳家)の内田 樹さんのインタビュー記事が「コロナ後の世界」ということで、ご本人のページで読める、ということを神戸大学医学研究科感染症内科教授の岩田健太郎さんがツイッターで紹介していたので早速そのページを読んでみた。そうしたら、立憲民主党の福山哲郎さんのツイートで、内田さんと福山さんの対談がその日の夜You Tubeで聞けるとあったので、それも聞かせてもらった(こちらでアーカイブ聞けます)。文章と対談を聞いていて、内田さんの話って本当に私だけでなく、多数の方が言いたいことをずばり言ってくれているんじゃないかと思った。特に対談の中でおっしゃっていた、「日本はリスクヘッジをしてプランBを考えることを嫌う。プランAとともに、プランBやCを考えておかねばならないのに、プランA以外の話をすると「縁起が悪い」と嫌われる、プランを複数で考えても一つだけが採用になるから、後のプランは無駄だと言われる。でもオリンピックでもなんでも、リスクヘッジのために、複数のプランを用意しておくのはむしろ当たり前」とおっしゃっていた。正にその通り。リスクヘッジにかける予備・余裕のことを内田氏は「スラック」と表現されている。同じような話を、岩田さんは「(コロナウィルス対策に関して)日本政府はプランAがダメならプランBで行かないと、え、プランBはないの?」的なツイートを何度かされていた。
確かに、日本人ってこっちに行くぞーと言われるとそれについていこうとし、同意しない人間を村八分にする傾向がある。右向けと言われると無意識に左向いていしまう、一と言われると「でも、本当は二の方がありなんじゃないの?」と意見してしまう私は、その思考・指向についていけない。むしろリスクヘッジしないと怖くて仕事ができない。特にイベントなど企画する場合には、うまくいかない可能性の方が高いので、プランを複数考えておくのはむしろ当たり前- これは私だけの考えではないと思うが、でも、そうではない現実に遭遇することもある。以前、広場で行うイベント出演のために来日するアーティストの在留申請をしたのだが、イベント当日、強力な台風が来る可能性が高く、急に中止になってしまった。イベント前々日にイベント担当者が急遽別の場所でやることを決定した。入管には場所替えを想定した申請はしていなかったので「イベントのプロが雨天の場所を事前に考えておかないなどありえない」と言われた。私はステージ自体には屋根があるので、雨でもやるつもりなんだと思っていたのだが、そうではなく、イベント担当者は、周りの方にはなんと「雨は降りませんから」と断言して、雨が降った際のプランBを全く想定していなかったらしいのである。プランBが必要なのは契約書の交渉は、申請書の提出でも同じである。契約交渉するのにこちらの希望が通らないことを考えて、「多分こう修正するとこう返されるだろうから、その時は、こう返す=ある程度妥協して、妥結する」とか、「申請書をこう書いても要件に合わないと言われる可能性があるから、その時は、こちらを準備しておこう」とか、常にプランBを持って準備しておく。それがプロってものだろうと思う。
日本で全く進んでいなかったリモートワークも、今回のコロナウィルス対策で一挙に進んだ。Zoom Meetingも、前は全然知られていなかったのに、一般化した。社員全員が座れるスペースが地価の高い都市部で本当に必要なのか?も会社によっては考えるだろう。コロナ後にはコロナ前の生活はもう戻ってこない。コロナ前に考えていた将来プランAはコロナ後には多分通用しない。プランBやプランCを今から考えておかないと・・